長野県で本物のナチュラルハム(生ハム)を作る 「ジャンボン・ド・ヒメキ」

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12月中旬に長野県白樺湖の北に位置する標高1500mの姫木平にある、「ジャンボン・ド・ヒメキ」のアトリエを訪れました。

雪が積もる厳しい寒さと大自然の中で、こだわりの豚肉とオーガニックソルト、日本古来の麹菌による発酵と長期熟成により、本物のナチュラルハムを作っています。

欧州の伝統的な生ハムと言えば、イタリアのパルマやサン・ダニエーレ産のプロシュットとスペインのハモン・セラーノが有名ですが、国内でも夢をもった生ハムの職人が切磋琢磨して、日本の気候にあった個性豊かな生ハムを作っています。

今回はジャンボン・ド・ヒメキの代表 藤原伸彦さんからお話を伺いました。

大自然の環境で作る本物のナチュラルハム

藤原さんは元々フレンチのシェフで、若いころにフランスで料理の修行をした際に、現地でヨーロッパ各地の生ハムを食べて、その美味しさに魅了されたといいます。

一般的に日本では生ハムという言葉が使われることが多いのですが、藤原さんは大自然の環境で自然の力で作るものだからと「ナチュラルハム」という言葉を使っています。

昔のヨーロッパの黒豚のような
濃厚な味わいのナチュラルハムを目指している

ジャンボン・ド・ヒメキのナチュラルハムとは、
「みんなが食べて美味しいと思うものを目指していません。私が食べて一番美味しいと感じた、この地域のこの味というものを作っています。フランスのノワール・ド・ビゴールやキントア豚(バスク豚)といった、昔のヨーロッパの純血種の黒豚で作ったような濃厚な味わいを目指しています。」と話してくれました。

豚と塩と日本の麹菌で作る
発酵と長期熟成が生み出す旨味と香り


ジャンボン・ド・ヒメキでは、気温が5℃以下になる11月中旬から2月にかけて仕込みを行っています。豚肉は「黒豚」や「千代幻豚」「信州太郎ぽーく」などを使用しています。
皮をむいた新鮮な豚肉の骨付きもも肉や骨付き前脚を仕入れ、オーストラリアのレイクソルト(湖塩)をかけて漬け込み、オリジナル製法である日本の麹菌を振りかけて、自然の力により乾燥をさせていきます。

骨付き肉のほかにもブロックで塩漬けしているものもありました。
これは「パパーダ(グアンチャーレ)」と呼ばれるトントロ(ほほ肉)を漬けたものだそうです。

一定期間乾燥させた後、「パレタ」(骨付き前脚) は10~12ヶ月、「ジャンボン」(骨付きもも肉) は18ヶ月以上かけて熟成庫でじっくりと味を深めていきます。

「麹菌や雪や寒暖差、風、この環境のすべてがナチュラルハム作りに繋がっています。
豚肉のタンパク質をいかにアミノ酸に変えて、旨味成分を引き出すかが、ジャンボン・ド・ヒメキの製法だと思っています。麹菌を使うことで複雑な旨みと香りが出ます。」と藤原さんは言います。

3年熟成した黒豚の原木から切り出したナチュラルハムを試食させていただきました。
じっくりと熟成させた、塩味がまろやかな旨みたっぷりの味わいで、お酒を飲みながら食べたらどんなに幸せだろうかと、つい考えてしまいました。

生酛造りや山廃仕込みの日本酒と
メルローやシャルドネと合わせてどうぞ


そこで、どのようなお酒が合うかも聞いてみました。

「麹菌を使っているので日本酒がおすすめです。生酛や山廃のように乳酸発酵の旨味のある日本酒が合います。それぞれのナチュラルハムの特徴は「信州太郎ぽーく」が美味しいテーブルワイン、「千代幻豚」がリッチなシャルドネのムルソー、「黒豚」が長熟型のボルドーワインといった味のイメージです。そのため3年熟成の黒豚にはメルローのビンテージ、千代幻豚はシャルドネがよく合います。」

【番外編】原木からナイフで切り出す方法


ここでナチュラルハムの原木からナイフで切り出す方法もお教えします。
表面の酸化した所はナイフで削って捨て、繊維に沿ってナイフで切り出します。

「薄く切らなくてもいいですよ。咀嚼して旨味を味わうようにザックザック切ればいいです。」と教えてくれました。

原木は切り出してから2ヶ月くらい日持ちするそうです。
なかなか原木を手に入れることは無いかもしれませんが、チャンスがあればぜひ試してみてください。
■長期熟成の国産生ハム「Jクラフト生ハム」について詳しくはこちら

(うまいもんドットコム 植竹)

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