これまで知られている北限のイチジクは秋田県にかほ市産
しかも品種はブルンスウイック、主に加工用になる品種
津軽平野の弘前で栽培されるイチジクは商業用に栽培している産地としては、
恐らく一番北になるはず。
品種は生食用の桝井ドーフィン。栽培がし易い大玉で美味なイチジク。
津軽平野は日本一のリンゴの大産地
ところが近年の気候変動で夏が暑すぎて、平地(津軽平野は典型)では
20年後、30年後には、これまでの品種のリンゴ栽培ができなくなる可能性が
出てきた。
近年、弘前ではシャインマスカットや桃など、リンゴに代わる品目の栽培に
取り組んでいる。このイチジクもその一つ。

弘前は冬に雪が降ることを除けば、日照豊富で寒暖差も大きく、
地下の水も豊富だから、果樹栽培にはとても適した場所。

ビニールハウスの中には鉢植えのイチジクが並び、収穫はこれから最盛期
鉢植えのイチジクの木が大きくなり、ハウスに収まらなくなるとメンバー入れ替え!
挿し木で簡単に増やせるイチジクの後継メンバーが大量に育てられている。

近年は猛暑日になることがあるとは言え、弘前の夏の暑さは控えめ。
イチジクにはちょうど良い気候かもしれない。

遠く中東のアラビア半島が原産地と言われるイチジク
シルクロードの交易や大航海時代のキリスト教布教と一緒に世界中に広がり、
日本には中国経由、ポルトガル人(イエズス会)経由など諸説あるものの、
1600年頃に西日本に伝来したのは間違いない。

その後、全国にイチジクは伝播し、商業栽培としては桝井ドルフィン(米国原産)
の普及で拡大し、それが遂に青森県の津軽平野に伝来したということだ。

心地よい甘さとほのかな酸味。歯がなくても食べられる食感。
日本の高齢化が進み、以前よりイチジクの人気は明らかに高まっている。
10数年後、弘前がイチジクの一大産地になっているかも・・・
可能性は十分にあるはずだ。
イチジクの香りはイチジクにしかない独自のもの。
少し妖しさがある不思議な香りとイチジクにしかない食感。
昭和の頃は多くの家の隅に植えられていたイチジクだから、
45歳以上には懐かしい味で、何故か食べたくなる地味な魅力がある。