こんにちは、うまいもんドットコムの梶です。
先日、アサクサ種直系「肥前海苔」をつくる佐賀県の島内啓次さんから
「収穫のピークを迎えたので、2月からは今までよりも多く出せそうです。
今は加工に手がまわらないほど収穫が忙しくて、少し時間がかかるけど、
香りも例年より良い出来です!」と、電話がありました。
今年度は台風の影響も心配されましたが、問題は全くなかったようです。
国内の養殖海苔は大きく「スサビ種」と「アサクサ種」に分けられ、
島内さんが作るアサクサ種の海苔は、よく見かける黒々とツヤのある
スサビ種とは違い、やや赤みがかった浅い焼き色をしています。
その見た目から市場では評価されず、
また、水温の変化や汚染に弱いアサクサ種は養殖が難しいことから
生産者がほぼいない海苔と呼ばれるようになりましたが、
旨みが極めて濃厚で、それが甘さとなって舌に余韻が残り、
何よりスサビ種では体験できない豊かな風味があります。
現在、2000軒を超える有明海周辺の海苔業者でも
アサクサ種を毎年コンスタントに養殖しているのは10数名の生産者のみ。
島内啓次さんは、その中の1人で、自らが作ったアサクサ種の海苔を
「肥前海苔」と名付けて販売しています。
島内さんがこの海苔を作りはじめたのは1993年。
黒々としたツヤのある海苔が評価される市場では、圧倒的にスサビ種が高く売れ、
労力や生産量を考えるといくら食味に優れているアサクサ種も、作りたがる生産者はほとんどいません。
それでも島内さんは、こう言います。「真っ黒い海苔を作りたいのでもないし、
高く売れる海苔を作ることが目的でもありません。とにかく美味しい海苔を作りたい。その一心です。
私がアサクサ種をやめてしまっては、世の中から美味しい海苔がなくなってしまうんです」
島内さんの海苔づくりは、毎年3月に
アサクサ種のタネを自ら培養し、採苗するところから始まります。
海苔の種になる糸状体をカキ殻に植え付け約6カ月間、水槽の中で育てるのですが、
アサクサ種の場合、培養自体が非常に困難で、専門の業者でもできるところはありません。
島内さんが自ら手掛ける以外に手段はなく、高度な知識と長年の経験があるからこそできる職人技です。
また、海苔以外の海藻(=雑草)の生育を防ぎ、雑草の混じらない海苔をつくるために
「干出(かんしゅつ)」呼ばれる干潮時に海苔の網が海面から露出させる欠かせない工程があります。
島内さんの網は他の生産者の網の位置と比べると、少々高い位置にあるのですが、
これは、網を確実にしかも少しでも長い時間海面から出すためで、
陽光と潮風によって水分が飛び、うま味成分のアミノ酸が凝縮します。
香りが立ち、歯切れは良いけど決してもろくなく、うま味が強烈に濃く仕上がるのは、
細部にまでこだわる島内さんだからこそ生み出せる味わいです。
注文が入る度に生の板海苔を焼いて出荷しますので、風味は抜群。
一度に仕上げられる量は限られますので、お届けまでにお時間をいただく場合があります。
・島内啓次さんのアサクサ種直系「肥前海苔」について、詳しくは→こちらから
