始まりました!『月刊世界のソーセージ』hayariのソーセージ頒布会 その1

hayari月刊世界のソーセージ

食文化スタッフの井上です!

世界のソーセージレストラン・ハヤリさんとの共同企画、『月刊世界のソーセージ』がスタートしました。
動物の腸に肉を詰めるという極めて野性的な食べ物がこうも人々を引き付ける理由は何なのか?
1年間を通してその魅力をレポートしたいと思います。

第一回目は古代ローマ時代のソーセージ『ルカニカエ』。
このソーセージは4〜5世紀 美食家アピキウスの書「料理について」に記載されている極めて雑なレシピを元に再現しました。
つまり、今の世界のソーセージではありません。時空を超えています。
付け合わせは古代種スペルト小麦「ファッロ」です。

素材の肉は鶏、味付けは塩ではなく魚醤です。

当時、塩は精製技術が未発達であった為に量が限られ、大変価値ある存在でした。
その代わりなのか、美味しかったからなのか、古代ローマではリクァーメンという液体魚醤が用いられることが多かったようです。
実は調味料の歴史では醤油よりも魚醤の方が古く、古い文献を読むと魚醤が使われていたという記述が世界各国で見られます。

このルカニカエはヴァイスヴルスト的な食感ですがズッシリとした奥行きのある強い旨味を感じます。優しいけれど力強い味です。
ファッロはソーセージからでる肉汁と混ぜるようにして食べると美味しいです。

ちなみになぜ鶏肉かというと、当時は豚は食材としては最下位で、後世にレシピを残せるような教養のある階級では鳥が中心だったからです。
最高級食材は孔雀で、恐らくその見た目の華やかさもあって上流階級では好んで食ていたそうです。美味しいのですかね?
いやでも、きっと庶民の豚肉のソーセージもあったでしょうね。
どんなものだったか気になります。

紀元前からあったであろうソーセージ。その時代に思いを馳せていただきました。
今日はローマ皇帝気分です。
次は古代の中国でお会いしましょう。

 

⇒ ソーセージ研究家村上さんの作る世界のソーセージ

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