チェヴァプチチ『月刊世界のソーセージ』hayariのソーセージ頒布会 その6

hayari月刊世界のソーセージ
食文化スタッフの井上です!
世界のソーセージレストラン・ハヤリさんとの共同企画、『月刊世界のソーセージ』。
第1回目は古代ローマ時代の『ルカニカエ』、2回目は中国の魏晋南北朝時代(6世紀)の「胡炮肉(ウーパオロウ)」、3回目は中世2~7世紀のスコットランド「ハギス」、4回目はアイスランドの「リブラルピールサ」、5回目はフランスの「アンドゥイエット」、そして、折り返しとなる6回目は、トルコ(オスマン帝国)のソーセージ「チェヴァプチチ」です。

オスマン帝国は15世紀のトルコ周辺にあった大国です。
当時のヨーロッパ周辺は今の国境線と大分異なり、東ローマ帝国を滅ぼしたオスマン帝国は、黒海・地中海を囲むようにグルっとアラブもアフリカの北部も領土としてました。
今はそれぞれの文化は大きく異なりますが、当時はまだ入り混じってて、それが今に伝えられているのでしょうね。

トルコには「ドルマ」という、肉や米やハーブなどを野菜で包んで煮込んだピーマンの肉詰めやロールキャベツ風の料理があります。
中には、イカの胴体にピラフを入れた、日本のイカメシ的な料理もあります。
人間は袋状のものがあると、そこに何かを詰めたくなるという本能があるようですね。

さて、そんな中この変わった名前のソーセージ「チェヴァプチチ」です。

このソーセージは「小さなケバブ」という意味です。
ちなみにケバブは「焼き料理」的な意味らしいです。
トルコはイスラム圏、豚肉を禁じられているので原料は牛と羊になります。
宗教によって変わる食文化に、食と生き方の繋がりを感じて、この頃の人達は何を考えていたのかな?なんて思いを馳せてしまいます。

ところで、このチェヴァプチチ、皮がありません。
見た目で言うと、皮が無いソーセージというよりも、細長いハンバーグと言った方が近い感じがします。つくねの串が無いものにも見えます。

今回の付け合わせは「ブルグル」=挽き割り小麦(デュラム小麦)です。
それをトマトで煮込んだものです。

15世紀にはまだこの地域にトマトは伝播してなかったそうで、当時はイチジクやスモモ、チェリーなどが代わりに使われていたそうです。

上手に焼けました。
ブルグルの上にチェヴァプチチをのせて、一緒に食べます。
しかし、絵になる。これは旨そう。
ちなみに奥に写っている細長いソーセージも村上さんのもの。
味噌のソーセージです。

これは、赤身の肉好きにはたまらん味です!
ブリブリとした弾力ある食感で羊の良い香りがします。
上に唐辛子を乗せるとさらに美味しそうだなと思って、酢漬けの唐辛子を乗っけてみました。
やはり合う!こうするとチョリソー的な味になります(当たり前か)。
パクチーも合いそうだな。

羊と牛って相性が良いです。これが豚×牛だと肉汁ジュワーって感じなのでしょうが、そうではないもっと男らしい味、香り、食感。うまいなぁ。
あ、豚×羊ってどんなんだろう。これって宗教的に日本だから食べられる組み合わせかも。
村上さん作ってくれないかなぁ。

次はポルトガルでお会いしましょう。
⇒ ソーセージ研究家村上さんの作る世界のソーセージ

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