観光客も来ない、ひっそりとした場所で作られる「千枚漬」

メルマガダイジェスト

こんにちは、うまいもんドットコムの梶です。

「11月5日に、かぶらを50個漬け込むので11月10日には発送出来そうです」
と、先日、『台所門おざき』の店主 尾崎さんから電話がありました。

究極の「千枚漬」を作る京都『台所門おざき』

完全手作りで、保存料も使用していない尾崎さんの千枚漬は
完成してから僅か8日間しか賞味期限がありません。

お店は観光客にはわかりづらい小路にあるため、お客さんは地元の人がほとんど。
それでも続けられるのは、地元・京都人に愛される街の漬物屋だからです。
22611.2
うまいもんドットコムで台所門おざきの千枚漬を販売し始めたのは、オープンして間もない2001年。

当初、千枚漬には他の漬物と同様、化学調味料などの添加物を使用しており、
年に一度、うまいもんドットコムのために無添加で仕込んでくれていました。

それが、年に数回に変わり、今ではかぶらがとれる冬の期間は全て無添加で仕込んでいます。

尾崎さんは、夏にはさっぱりとした「水茄子の糠漬」、冬には「京壬生菜漬」など
四季折々の食材を使った漬物を仕込んでいますが、看板商品は本日ご案内する「千枚漬」です。

元々、『台所門おざき』は伏見区深草大亀谷で「桃山大根」を栽培する農家でした。

大亀谷地区の都市化とともに、産地が三重県伊勢市に移り
先代が漬物屋に転向したのが『台所門おざき』の始まりです。

使うかぶらは料理用ではなく、千枚漬用の「聖護院かぶら」
仕入れるのは亀岡市大井町の山下さんの畑で育ったもののみです。

自身も漬物屋を営んでいる山下さんとは15年来の付き合いで、
「お互い漬物づくりに携わっているから、どんな聖護院かぶらが千枚漬に最高なのか、
言わなくてもわかっている。いつもいいかぶらをつくってくれます」と、全幅の信頼を寄せています。
22611.2-(1)
最高のかぶらを1個1個、見事な包丁さばきで皮を剥き、水気で狂いが生じないよう
桜の一枚板でできた千枚漬け用かんなで薄くスライスしていきます。
手に伝わる僅かな感触で身の状態を確かめ、良いものだけを選別するのはまさに職人技。

1個のかぶらから30枚ほどスライスできますが、尾崎さんは状態や形が悪いものは
容赦なく弾いていき、「1個から20枚とれれば良い方」と言います。

かぶら50個×スライス20枚=1,000枚、これが「千枚漬」の名前の由来です。

その後の下漬けでは、天候やかぶらの状態によって
塩加減と重石を細かく調整し、千枚漬けの身上であるパリッとした食感に仕上げます。

本漬けでは、最上級の北海道産・利尻昆布を使用。
昆布の旨みやヌメりが千枚漬けの味を左右するため、質にはとことんこだわります。
昆布は洗った後、殺菌のため米酢に浸し外で2時間ほど干しますが、
完全に乾燥させないよう、その日の湿度によって干し時間を調整しています。

漬ける調味液は、味醂・米酢・果糖を独自の割合で混ぜた“秘伝の味”。
これらすべてが、舌に張り付くほど滑らかで、あっさりしながら深みがある
素材の旨みが活きた千枚漬けを生み出すのです。

4枚あるいは8枚に切って食べるのが一般的ですが、
半円に切り、壬生菜や細切りにした昆布を巻いて食べるのもおすすめです。
千枚漬の昆布も細く刻み、好みで醤油と七味を振って余さずお楽しみください。

・尾崎さんの「千枚漬」について、詳しくは→こちらから


malemagazine11

関連記事

特集記事

アーカイブ
TOP