冬場は鍋を筆頭にアツアツの食で3日に1回、舌の火傷を繰り返す田賀です。
先日、魚三「天然真鴨」の撮影を兼ねた試食会を行いました。
見た目、味ともに合鴨とは全く異なる「天然真鴨」
この日私のなかの“鴨”の概念が覆されました。
..
準備段階から書き綴りたいと思います。
今回、主役真鴨はこちら▼
琵琶湖長浜「魚三」の『天然真鴨夫婦セット』4~5人分
抱き身(ムネ肉)、もも肉、たたき、内臓(レバ・ハツ・砂肝)
1羽分は大体700g
その他鍋の具材は、三関せり・九条葱(+上州葱)
どちらも立派..!
三関せりは、泥をしっかり洗って
葱とあわせて長さ4~5センチに切りそろえます。
出汁は羅臼昆布と鰹節が主体、塩、日本酒、薄口醤油を加えます。
すまし汁よりほんのり濃い目程度が理想だそうです。
砂糖はあえて入れません。
グツグツと煮込む鍋ではないので、
予め調味した出汁を都度さしながら、毎回煮えた分を食べるのが流儀とのこと
追い出汁用にたっぷりと準備します。
いたってシンプル…
されど、これが最善なのだと後に実感します。
食べます。
の、前に忘れてはならない「撮影」!
是非、是非見てほしい、
このカメラ越しの鴨鍋。
素晴らしい色合い、温かみを感じる湯気の具合。
角度、タイミング等、カメラマンの技でバチっと撮影は終了します。
真っ先に食べようとしていたにも関わらず、
画面の中に吸い込まれていくような気持ちで見入ってしまいました。
改めまして
食べます!
まず出汁に丸めたたたきを投入して煮込む
せりと葱を投入してくたっとしてきたら
鴨肉を入れていきます。
内臓は血抜きしてないのに生臭みを感じることは一切無く、その美味しさに驚きます。
特にレバーには感動しました。
むね肉、もも肉はさっと出汁にくぐらせ、肉汁が浮かべば食べ頃
完全に火を通さず、ミディアムくらいで食べること。
これはポイントというよりむしろマストである…と私は感じました。
きめ細やかな肉質の赤身はきわめて濃厚で、
鮮烈なうまみを内包しています。
上質な脂とセリが相まって、滋味深い味わい、。
卵(緑の一番星)に絡め山椒を一振り。
感動は続きます。
「雄は雄、雌は雌だ」という先輩の声に頷きながら
ただただ「う~~ん美味しい」と唸っていました。
浅鍋で何度も出汁を継ぎ足して食べていく..
と、ここで田賀は気が付きました。
「灰汁がほとんど出ていない」
臭みどころか灰汁も無いのです、凄い。
〆はうどん?蕎麦?餅?
むフフフ。
今回は「自然薯」です。
これが感動もの。
参加者皆の笑みが止まりませんでした。
出汁に加わった鴨の旨み、脂を
すりおろしたフワフワの自然薯がまとう。
山椒をちらして勢いよく口の中に。
堪りませんね。
写真を見返しながらブログを書いている今でさえ
笑みが浮かんでくるほどです。
..
はじめて頂いた、魚三「天然真鴨」
鴨の概念を覆されたと同時に
命をいただいた有り難みを感じました。
この日は12月に入って最低気温を観測、グッと冷え込んだ東京ですが
心も体もぽかぽかで帰宅したのでした。
寒い季節にしか食べられない冬のご馳走です!
改めて鴨に、そしてこのような機会に感謝します。
食文化 田賀