【短角牛のレバー】
昨日、愛車の軽トラ「スバルサンバー」を駆り、岩手県の二戸まで行ってきました。
時間にして実に片道4時間もの道のりです。
目的は、国内で流通する和牛の中でも極希少な『短角牛』の、加工品の商談です。
うまいもんドットコムでは秋田の鹿角短角牛を販売しており、多くのお客様にご支持頂いている赤身の美味な牛です。
大門商店 【鹿角短角牛】
今回は短角牛の加工肉、加工品を取扱う「山長ミート」さんにお伺いし、一緒に契約牧場にお邪魔しました。
と言っても、現在は放牧期間ではないので、畜舎の牛を覗いただけです。
この漆原牧場では通常の飼料に加え、なんと岩手県でお馴染の『南部せんべい』をおやつに与えていました。
これを食べさせるのと食べさせないのでは肉質も変わるそうです。
こうしてたくさんの牛を見ていると、牧場オーナーの漆原さんもどこか短角牛と顔立ちが・・・
というくだりは置いておいて、
帰りには短角牛専門の焼肉店『短角亭』さんに立ち寄り、短角牛を試食です。
因みに、「短角牛を取り扱っているお店」はあっても、まさか
『短角牛専門の焼肉店』があるとは思いませんでした。
山長ミートさんでも、専門店はここ以外知らない。との事でした。
ハラミとレバー、焼肉丼を食べましたが、
やはり短角牛は美味しい。
飽きのこない適度な脂と程よい食感。
噛みしめる度に赤身の旨みが口の中いっぱいに広がります。
レバーは営業上、「火を通してお召し上がり下さい。」ですが、
網にのせたか、のせていないかはご想像にお任せします。
画像を見れば分かりますが、
曇りのない鮮やかなあずき色にピンと起ったカド。
ドリップなんて殆ど出ていません。
新鮮なレバー・・・ゴクリ・・・
小気味良い風味と食感は、広い牧場でのびのび健康的に動きまわる短角牛の姿が目に浮かぶようです。
こんなに美味しい短角牛ですが、生産現場では黒毛和牛の相場に押される現実に苦しみます。
精肉店さんなど、売り手側として売りにくい理由の一つは、
やはり認知度(肉に対する知識)の低さです。
ある飲食店のシェフは、テレビで取り上げられた短角牛を見て問い合せて、
「うちはA5等級の牛しか使わないから、脂ののった高品質の短角牛を送って欲しい」
と・・・
果たしてこのお店で料理を食べたお客様に、短角牛の美味しさが、魅力が伝わるでしょうか。
また、一般の交雑牛と違い、手間暇かけて育てた希少な和牛ですから、当然通常の牛肉よりも値が張ります。
スーパーなど量販店では売り辛いという事もあり、取扱う事は多くはありません。
こういった事が、一般の消費者の目に入り辛い環境になっている要因です。
山長ミートさんなど多くの短角牛加工業者さんは、このままでは短角牛を生産してくれる酪農家さんが居なくなってしまうと危機感を持っています。
相場が低くても一定の価格で買い、相場が高い時は高い価格で買う。契約酪農家さんはその期待に応えるべく、美味しい短角牛を育て続ける。
短い時間の会話の中に、生産現場と販売業者、お互い信頼関係のもと助け合いながら生産を続けている強い絆を感じました。
短角牛ファンのお客様には今後も引き続き、美味しい短角牛を応援頂ければと思います!