6月食の会 薪と水素体験会レポート

うまいもん名物 食の会

うまいもんドットコムの八尾です。

当店の麻布事務所には薪コンロと水素コンロがあり、日々その使い方を学び、より深い食の発信ができるように研鑽を積んでいます。

今回は普段は商品に触れることが少ない、出荷や事務に関わるメンバーにも設備の魅力を感じてもらうために、会社の制度を利用して皆で料理をして楽しむ会を開催いたしました。
※6月のレポートですので、投稿まで時間がかかってしまいましたが、ぜひご覧下さい。

今回のお品書きはこちら

~前菜~

・-80℃の低温保存された平目のフィレの刺身・鳥羽のわかめを添えて
・冷やしトマト
・枝豆

~水素で焼き物~

・渡辺バークシャー・純粋黒豚リブロースステーキ
・川俣軍鶏のオス
・越田商店の鯖の干物
・三重県桑名産 本はまぐり
・賀茂茄子・椎茸
・アスパラ
・万願寺とうがらし

~薪火で焼き物~

・黒毛和牛イチボ
・越田商店の鯖の干物
・生ソーセージ
・ヤングコーン

お酒

・ビール
・ハブ酒
・肉食系純米酒

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過去何度か参加したことがある私は、薪火が理想の形になるには30分~1時間ほどかかるのでその間食べるものが無く手持ち無沙汰になることが多いと感じていました。

そこで、今回は前菜をしっかり準備いたしました。

 

まず枝豆は私がフジテレビ系 ノンストップのコーナー「枝豆沼」に出演した時の茹で方でカリッとホクっとしあげました。冷やしトマトは切り方を2種類、縦と横で食感の違いを楽しみながら、オリーブオイルと塩でいただきます。そして‐80度という“超超低温”で凍結された平目を刺身に盛り付けます。この技術もなかなかのもの、一切ドリップが出ません。水っぽさとは無縁の引き締まった刺し身、エンガワも旨い! 新技術に触れつつ、薪に火を入れます。

薪火の点火は、それ自体がエンターテイメント。

何度やっても盛り上がります。この光景が東京都23区内で行われているというのも魅力です。

さらに、ここから良い火を作っていくのがとても楽しいのです。

火を作りながら水素コンロでも焼き物を開始。

水素を使うことで焼く際に水蒸気(H2O)しか発生しません。そのため、ガス火特有の匂いが無いだけでなく、普通だと焦げてしまう焼き方でも、高温の水蒸気が発生し続けるのでしっとりと仕上がります。

今回は、茨城県神栖市のメディアでも幾度となく取り上げられる干物屋「越田商店」のさば干物を焼きます。これは冷凍出荷担当・比留間のリクエストです。


一見焦げたような仕上がりですが、表面は黒くなっているものの硬く炭のようにはなっていません。全体的にしっとりとしていて、ジューシーで香り高くコクのある旨味の焼きあがりです。
干物と水素は相性がとても良い!

さらに、旬のアスパラ・初夏の賀茂茄子・軍鶏を焼きます。

どの野菜もしっとりとジューシーに仕上がり、茄子もここまで焼くと通常表面がぱさっとしてくるものですが、とろけるような食感に仕上がり格別でした。

そして軍鶏「川俣シャモ」がまた絶品。

表面はパリッと仕上がり、身は柔らかくしっとり…これが水素の力。
高温の炎で焼きながら、同時に蒸すかのように水蒸気を供給します。
高温の水蒸気は、焦げても内部まで炭化することは無く、高い温度でよりタンパク質が分解しアミノ酸が生成されるため旨味が濃厚になる…そんな特性を感じる一品でした。

そして薪火がいい状態になってきたので、薪での焼き物も開始します。

越田商店の鯖の干物は水素と炭火で食べ比べをします。
炉端風に焼いて食べましたが、これがまた絶品。水素と干物の相性の良さは間違いないのですが、薪火もまたうまい…!
香ばしくジューシーで締りがある焼き具合は、薪火の高火力がなせる業です。

更に賀茂茄子も水素と比較しながら焼きます。そして、炭火で驚くほどの旨さだったのが「ヤングコーン」です。

アルミホイルに包んで、薪火のそばに置いておくだけの遠赤外線調理。
ホクホク・ジューシーで旨い…!特にメンバーの思い出に残った味で、口々に感動したと言います。
提供しているときはそこまでの衝撃とは思わず、写真が少なく後悔です。また、ヤングコーンの時期がきたら、薪火で楽しみたいですね。

そしてこちらは、私がやってみたいと思っていた「生ソーセージ」です。

どういうやり方が正解なのか、模索しながらでしたが、結論から申し上げるとこの方法は失敗で、最終的に直火で焼いて仕上げとなりました。

生ソーセージの特性を考えると、高温の水蒸気で焼き上げる水素コンロの方が適していたと感じています。どこかでリベンジします…

しかし味は抜群です。つけあわせは「S=O ピクルス」業務用のピクルスなのですが、このスパイシーな感じが気に入っています。

私お気に入りの、ソーセージとピクルスの組み合わせには、メンバーも大満足していました。

そしてメインディッシュ
薪火では黒毛和牛のイチボ、水素コンロでは純粋黒豚 渡辺バークシャーを焼きます。

水素コンロは炎が立ち上り、焼きすぎではないかと心配になりますが、実はこれが最適です。
脂に引火した炎が目立ちますが、水素の特性上黒こげになるということは無いのです。

そしてそれぞれ焼きあがりました

塊肉の焼き具合はいつもドキドキします…
今回のイチボは…

うーん60点ですね。火の通りは悪くないものの、色が今一歩な感じは否めません。薪火が最後のほうだったため、火力が弱くなっていたこともあると思います

手軽に火力を調節できるガス火と違い、薪をくべて熱源を作り続けなければいけないため。より計画的な料理が必要です。この反省は次回に生かします。

とはいえ、味は絶品でした。今回入社数か月で参加した藤原は「焼き物の中で一番衝撃的。」というほどで、口いっぱいにイチボの濃厚で旨味がつまった脂が広がると、いたく感激をしていました。

そして渡辺バークシャーです

あれだけ炎をまとっていたため表面には確かに焦げはありますが、炭化するようなことは無く全体的にしっとりとしていることが伝わるでしょうか。
高火力で余計な脂が落ち、旨味だけが残る仕上がりに。十分すぎるほどに完成された味に仕上がっていました。
コクのある旨味。豚肉と水素の相性の良さが良く伝わる一品です。

今後も水素を使った食事会に、旨味抜群の豚は欠かせないですね!

そうしてメインディッシュまで終わったところで、今日のMVP食材が決まったかと思われましたが、
食後を彩るダークホースが現れました。それが…

オペレーション部長の加納が用意した万願寺唐辛子です。

少し焼きすぎに見えるかもしれませんが、さすが水素コンロ程よい柔らかな食感でほくほく感もあり、香りも濃厚な仕上がりです。
旨味アリ・甘さアリ…で塩も醤油もいりません。味付けは一切なしで「なんでこんなに旨いんだ!?」と皆が驚愕。


食後にさっぱりとした感覚を提供して、今日の食事会を優しく丁寧にまとめてくれました。

これはもう、水素焼きの万願寺唐辛子がMVPです!
万願寺唐辛子は、少々焦げ付くぐらいに水素で焼くべしと、社内で語り継いでいきましょう。

こうして用意した食材もすべて使い、素晴らしい炎と素晴らしい食材を堪能する時間は終わりました。

最後に、寿司屋の娘 阿川が「合わせたお酒で一番美味しかった」と語ったのが、泡盛のハブ酒。ハブエキスの他に竜眼も入った香り高い泡盛。沖縄の那覇市で作られたこちらのお酒。実は本社には水道をひねると軟水が出てくる特別な蛇口があり、軟水の水割りでいただくと特に素敵な口当たりになります。

しっかりとした独特の旨みある味わいながらも、すっきりとしていて後味が爽やか。薪と水素調理で仕上がった料理を更に引き立てる美味しさでした。

こうして素晴らしい夜は更けていきました。

こういった勉強の機会をいただけるのも、当店のすごいところだと常々感じております。

この経験をもって、より洗練された食の発信ができるように、今後も研鑽を積んでまいります。

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